以前のコラムで、タンス預金は相続税対策というよりもむしろ、特定の相続人に対して多く相続させたい場合によく行われている手段であるということを説明しました。ところで、タンス預金はどこに隠すのでしょうか? タンス預金の隠し場所というのは次のような場所があります。
- タンスの中
- 冷蔵庫の中
- 庭に埋める
- 鉢植えの鉢(土)の中
- 仏壇や神棚の中
- 床下・天井裏
- 水洗トイレのタンクの中
私の若い頃は、冷蔵庫の中に銀行の通帳や印鑑などの大事な物を隠す人が多くいたようです。冷蔵庫に大切なものを隠す人があまりにも増えてしまったので、ドロボーはまず最初に冷蔵庫を物色するようになったらしいです。ですから当時、冷蔵庫の中には大事な物は隠さないほうがいいという話も聞いたことがあります。また、鉢植えの土の中や庭に埋める、というのも定番の隠し場所です。ご年配の方でしたら、仏壇の中は人気の隠し場所ではないでしょうか。ただ、どれもよくある隠し場所ではありますので、発見される可能性はそれなりに高いと思います。現金を隠す場合、誰に対して隠しているのかが重要になります。ドロボーから守るためでしたら、庭に埋めるというのは効果的です。何故ならドロボーは侵入から退出まで5分以内で済ますことを前提に行動しているようですので、庭に埋めた現金を発見するには時間が少なすぎるのです。一方、税務署から現金を隠す場合は、庭に埋めたとしてもあまり効果はありません。税務署はすぐに見つけてしまい、掘り起こすと思います。昔、そういう映画を見たことがあります。結局のところ、効果的な隠し場所というのは存在しないと考えたほうが宜しいかと思います。誰から隠すのか、いつまで隠すのか、とうことが重要になってくるのですが、ただ、現金を隠すという行為には、忘れ去られるリスクが常に付きまといます。タンス預金というのは誰にも発見されたくないけれど、最後には必ず誰かに発見されなくてはならないという矛盾状態であり続けることが求められます。この状態を保ち続けることは必ずどこかに負担がかかります。タンス預金という行為は、あまり費用対効果の良いものでは無いのかもしれません。
ちなみに、上記に列挙した隠し場所は、ポピュラーな隠し場所です。ドロボー対策としては中には効果のある場合もあるかもしれませんが、税務署の職員の方が調べれば簡単に発見してしまうと思いますのでお勧めできません。プロにかかればタンス預金はすぐに発見されてしまうのです。相続税の節税が目的の場合は、信頼できる税理士の先生に相談していただいて、合法的に節税されることをお勧めしております。
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