コラム

遺言書が複数出てきた。日付の新しい遺言書が有効・・ではありません

遺言書が複数出てきた場合はどうなるのでしょうか? 結論から言えば、原則すべての遺言書が有効です。100通遺言書があれば原則100通すべて有効な遺言書です。30年前に書いた遺言書でも有効です。よくある誤解としましては、日付が一番新しい遺言書のみが有効であり、古い遺言書はすべて無効であると言われる場合があります。実際、そのように誤解されている方は多いですし、信じられないことにそのような間違った解説をしている解説サイトも見たことがあります。でも、実際は遺言書は何通あっても良いのです。たとえば次のような2通の遺言書があったとします。遺言者であるお父さんは、土地と現金を持っていて、会社を経営していると想定します。そして令和1年と令和2年に、次のような2通の遺言書を書きました。

 

【令和1年作成の遺言書A】
・土地をすべて、太郎に相続させる
・現金はすべて、次郎に相続させる

 

【令和2年作成の遺言書B】
・経営している会社は、次郎に譲る
・現金はすべて、三郎に相続させる
このように書かれた遺言書Aと遺言書Bはどちらも有効なのです。ただ、内容が抵触している部分は、新しい遺言書が有効となります。この例で言えば、土地については遺言書Aでのみ記載がありますので、遺言書Aの記載部分が有効となり太郎さんが相続できます。現金については遺言書Aでは次郎さんが貰えることになっていますが、より新しい遺言書Bでは三郎さんが貰えることになっています。内容が抵触しているので遺言書Bが有効になるのです。会社は遺言書Bの中でのみ記載がありますので次郎さんが貰えることになります。結果として、次の通りに分配されます。

 

・太郎さんは土地を貰う
・次郎さんは会社を貰う
・三郎さんは現金を貰う

 

ですから、複数の遺言書はすべて有効になります。もし万が一、遺言書が複数出てきた場合は、決して古い遺言書を捨てないようにお願いします。でも実際のところ遺言書が何通もあると非常に分か難くなりますし、そもそもすべての遺言書が発見されるとは限りません。更には預金や不動産の名義変更時にトラブルを引き起こす原因になりますので、遺言書を書くときは注意が必要です。この混乱する状態を回避する為には、遺言書を何度も書く場合は必ず遺言書の最初に、

 

以前書いた遺言書は撤回する

 

というような書き方で一文を入れておけば大丈夫です。たとえば遺言書Bの最初にこの一文を入れておけば、遺言書Aは全文無効になりますので、この場合は一番新しい遺言書Bのみが有効な遺言書になります。そうなれば相続手続き時に混乱や間違いが起きる可能性はずっと小さくなります。

ところで、遺言書Bのみが有効になった場合は、遺産はどのように分配されるのでしょうか?
答えはこうなります。

 

・次郎さんは会社を貰う(遺言書Bが有効)
・三郎さんは現金を貰う(遺言書Bが有効)
・土地を誰が貰うかは、太郎さん・次郎さん・三郎さんが話し合って決める(遺言書Bには土地の記載が無いため)

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